精索静脈瘤の症状(痛み)解説!手術の費用とリスクは?漢方薬は効果がある?
男性不妊の原因の1つとして精索静脈瘤というものがあります。
精索静脈瘤の症状とは?痛みはあるのか?放置するとどうなる?
手術の費用やリスクは?手術後の効果は?薬は効果があるって本当?
今回は精巣静脈瘤についてわかりやすく解説します。
精索静脈瘤とは?
精索静脈瘤は、睾丸の上の方にある静脈が異常肥大した状態を言います。
精巣の萎縮、精子の異常につながる症状です。
精巣静脈瘤と検索する方もいますが、正しくは精索静脈瘤ですm(_ _)m
精索静脈瘤は、成人男性の約15%に該当し、不妊症の男性患者では実に約40%以上と言われています。
発症するのは左側の陰嚢で、陰嚢部に不快感・鈍痛などの自覚症状が現れます。
精索静脈瘤を発症すると、血流に障害を引き起こし腫れによる精索圧迫が起こり、精子の生成に支障を来す恐れがあります。
精索静脈瘤放置しているとどうなる?
精索静脈瘤の症状が認められたまま放置していると、傷みがどんどん強くなり場合によっては歩く事も出来なくなります。
また、血流が悪くなる一方となり、精子の減少に留まらず、精力や勃起力にまで影響を及ぼす恐れもあります。
治療が必要かどうかの判断も兼ねて病院で診察してもらうようにしましょう。
精索静脈瘤の妊娠への影響は?
精索静脈瘤になると、血液が逆流し温かい血液が精巣の廻りに留まりやすくなります。
精巣の温度が上昇すると、精子の生成機能が低下し精子自体の働きも悪化します。
このことが結果的に男性不妊の要因となっています。
また、精巣が低酸素状態となることも原因になります。
血液中の新鮮な酸素が精巣にも必要ですが、血液が逆流し二酸化炭素の多い血液が精巣に留まると、低酸素状態となり男性不妊の原因になってしまいます。
精索静脈瘤の痛みは?
精索静脈瘤を発症したことは、痛みから気付くことが多くなっています。
座っていると何ともないのに長時間立っていたり、歩いていると下腹部から睾丸あたりにかけて鈍い痛みを感じるようになります。
また、状態によっては強い痛みを伴う事もあります。
このような状態が続くようだと精索静脈瘤になっている可能性が高いと思われます。
早めに泌尿器科での診察をおすすめします。
精索静脈瘤の痛みを緩和する方法は?
治療に行きたいけど仕事が忙しくて行けない、または、病院へ行くまでの間痛みを和らげたい時に痛みを緩和する方法があります。
漢方薬の服用による方法が一時的に効果があります。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)という漢方薬があり、食後に飲む事で痛みを軽減することが可能です。
ただし、治癒するわけではありませんので長期間服用を続けると効果も無くなってきますので注意が必要です。
この他、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)なども痛みの緩和には有効です。
精索静脈瘤に漢方は効果あるの?
漢方薬の服用のメリットは痛みがないこと、手術の恐怖感がないことです。
服用の効果としては、体内の血流やリンパなどのバランスを正常にし血流を改善させることです。
また、仕事が忙しくて休めない人でも簡単に服用できる点が大きなメリットとなります。
牛車腎気丸は、下肢の痛みやしびれ、むくみに効果がある漢方薬で血流の改善、精索静脈瘤による痛み軽減効果があります。
桂枝茯苓丸は、女性の冷え症や月経不順の改善薬として知られますが、血流を改善する為、精索静脈瘤改善に服用されます。
精索静脈瘤の手術とは?
精索静脈瘤を治療するには、手術をすることが最も有効です。
もちろん、症状によって必ずうけなくてはいけない、というわけではないので安易にうけず、医師としっかり相談をしましょう。
一般的には、精索静脈瘤高位結紮術と顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術の2種類が実施されています。
精索静脈瘤高位結紮術(せいさくじょうみゃくりゅう こういけっさつじゅつ)は、ヘソ付近を切開、精巣静脈を縛ってしまう手術で、全身または半身麻酔が必要になります。
3~4日程度の入院加療で、保険適用で70,000円~100,000円の手術費用になります。
顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術(けんびきょうか せいさくじょうみゃくりゅう ていいけっさつじゅつ)は、精巣静脈を縛ることにより精巣への血流の改善をする方法です。
局所麻酔により手術が可能である為、1時間程度で治療が終了し入院の必要はほとんどありません。
顕微鏡を用いて細い静脈を縛る為高い技術が求められます。
こちらは保険が適用されない場合もあり、費用は200,000円~450,000円と幅が広くなっています。
精索静脈瘤の手術後は?
手術完了後は、精索静脈瘤高位結紮術の場合は入院の必要があります。
顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術は入院の必要はありませんが、すぐに激しい運動をしないようにしましょう。
これは、切開した手術のどれにも当てはまりますが、傷口が開く危険性が増してしまいます。
日常的な歩く・車を運転するなどは問題ありません。
性行為については、切開した箇所が治るまでは避けた方が良いでしょう。
1週間くらいで抜糸になりますので、この頃なら問題ありません。
術後、1ヶ月程度を目安に精液検査を受けて精子が増加しているか確認することになります。
精索静脈瘤手術の効果は?
精索静脈瘤手術を実施することでの効果は、精索静脈瘤の圧迫により精子の生成に必要な血流不足を改善させることです。
これにより精子の生成量が増え、元気な精子が増えますので、不妊症を解消する効果があります。
ただし、人によって増える量や増え始める時期には差があるため、早急な効果を求めすぎないようにしてください。
また、手術をしても効果がでない可能性もありますので、その点はしっかりと理解が必要です。
精索静脈瘤手術のリスクは?
精索静脈瘤手術によるリスクとして、再発のリスクが考えられます。
手術により精子の数も増えて効果があったとしても、再発しないという保証はありません。
100%ではないことは認識しておきましょう。
また、メスによる切開手術となりますので痛みを伴うリスクがあります。
麻酔が切れた直後の痛み、状態によっては痛みが長期間続くこともありますが、顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術の方が痛みは少ない言われています。
少しでも痛みや違和感を感じたら病院へ
男性不妊の原因として、精索静脈瘤という診断をされる方は少なくありません。
性交をしているにも関わらずなかなか妊娠しない・・・という場合、女性側だけでなく男性側の不妊も疑わなくてはいけません。
男性は特に仕事のストレスを抱えやすく、いつの間にか不妊の症状が発症している場合もあります。
少しでも痛みや違和感を感じたら、まずは病院へいきましょう。
診察自体は保険がききますので、その中でどのような検査をするのか、検査で保険はきくのかをしっかり相談してくださいね(^-^*)/