男性不妊の治療法と費用を徹底解説!保険適用は?助成金はある?
男性不妊治療の方法にはどんな種類があるのでしょうか?
また、治療費・治療費用はどのぐらいかかるのでしょうか?
知らない人も多い男性不妊の治療方法について徹底解説します。
また、治療をするにあたり費用はどのぐらいになるのか?助成金はあるのか?などもまとめています。
男性不妊の治療法の種類
まずは、病気による男性不妊の治療方法です。
男性不妊の多くは病気が原因だと言われていますが、詳しい原因は病院で検査をする必要があります。
一般的に男性不妊の病気が原因の治療方法の種類としては、以下のものがあります。
・TESE(精巣内精子採取術)
・MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)
・精路再建手術
・精索静脈瘤手術
・精子凍結
以下で、順番に治療法と費用をそれぞれまとめました。
また、不妊治療で保険を適用した場合と、助成金についてもまとめています。
TESE(精巣内精子採取術)の治療法と費用
不妊治療の方法のひとつにTESE(精巣内精子採取術)があります。
射精障害・無精子症などで精子が少なく、子供ができにくい男性の精巣の中から精子を採取する方法です。
精子採取率が高く、近年主流になっている方法です。
施術前の検査、問題点、手術内容の説明を行ったあとに手術を進めます。
手術に必要な時間は、40分~70分と短時間で入院の必要もありません。
手術は、局部麻酔⇒陰嚢の皮膚を切開(約10㎜)⇒精巣組織採取⇒精子の有無を確認⇒採取できれば縫合して終了⇒採取できない場合は他の箇所を切開し採取します。
手術の費用は、約180,000円~220,000円前後です。
また、精子の保存費用に関しては約22,000円前後になっています。
この他に事前の精子検査・染色体検査などで別途費用が必要になりますので、治療前にしっかりと医師と相談をしてから受けるようにしてください。
MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)の治療法と費用
男性不妊の代表的な症状に無精子症というものががあります。
無精子症には、閉塞性無精子症と非閉塞性無精子症があります。
閉塞性無精子症は、精子は生成されているが精路に何かしら問題があり精子が陰嚢から出ない症状のことをいいます。
非閉塞性無精子症は、精子を生成する働きそのものに問題がある症状のことをいいます。
どちらも無精子症で不妊治療として精子を陰嚢から取り出す方法を用いますが、適した方法に違いがあります。
非閉塞性無精子症の場合、精子そのものの量が少ない為、MD‐TESE(顕微鏡下精巣内精子回収法)が効果的です。
MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)は、手術用顕微鏡でとても注意深く血管を傷つけないように避けながら精子を取り出す方法で、精巣へのダメージも最小限です。
元々精子の少ない非閉塞性無精子症の方は、精巣のダメージで男性ホルモンが低下することは精子を更に減少させる危険性があります。
MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)は精巣にとても優しい手術と言えるでしょう。
手術の費用は、220,000円~270,000円前後となっています。
また、手術費用以外に、精子の保存費用・局部麻酔の費用などが別途かかってきます。
精路再建手術の治療法と費用
男性の不妊症の原因となる症状に、閉塞性無精子症というものがあります。
閉塞性無精子症は、陰嚢で精子を作る能力は十分あるのに精路が狭くなって精子が出てこない症状のことをいいます。
これは、精路を大きくすることで改善することができます。
手術内容は、精路再建手術で精管の閉塞している部分を、手術用の顕微鏡を使って拡張します。
不妊症の改善が主ですが、パイプカット後の再建手術にも使われる手術です。
手術後1週間くらいは縫合部を濡らさないこと、また飲酒も1週間は禁止です。
1週間を過ぎればシャワーも可能ですが、性行為は2か月間我慢しなければなりません。
手術の費用は、500,000円~600,000円前後です。
パイプカット後の再建では400,000円~500,000円と少し費用が下がります。
精索静脈瘤の手術の治療法と費用
男性不妊の原因として、精索静脈瘤があります。
精索静脈瘤は、男性の精巣またはその上にある精索の部分に静脈瘤が認められる症状のことをいいます。
男性不妊症患者の半数近くの人に認められる症状で、後天性の男性不妊症の大半の方にこの症状が見られます。
精巣の周辺に精索静脈瘤ができてしまうと、血流障害・精巣の温度上昇となり精子の生成能力の低下を招く恐れがあります。
精索静脈瘤の手術は、腹部を切開し精巣静脈を結紮(けっさつ)します。
手術そのものは簡単で短時間で終了し、入院しても1日~3日程度で退院できます。
また高度な技術を必要とする顕微鏡を使った手術の場合、入院の必要はほぼありません。
手術の費用は、一般的な精索静脈高位結紮術の場合は、保険が適用され70,000円から100,000円前後となります。
より高度な技術を要する顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術は、保険非適用で190,000円~400,000円前後と金額に大きな差があります。
症状や状態によって手術内容が変わってきますので、事前のカウンセリングをしっかり受けてから手術をしてください。
精子凍結の治療法と費用
不妊治療を受けていると、精子凍結を勧められることがあります。
精子は通常の状態では保存をすることができません。
しかし、精子凍結をすれば半永久的に保存することが可能です。
精子を採取した後、専用の保存液で処理し液体窒素で凍結させます。
液体窒素は-196℃と超低温で、この状態であれば長期の保存が可能です。
精子の凍結は、体外受精・人工授精を行う為に使われていますが、誰でも利用できるわけではないのが現状です。
不妊治療で条件を満たした方のみが可能となりますので注意してください。
治療の費用は、一本あたり20,000円~30,000円前後で、保存期間を延長する場合は、30,000円~40,000円前後となります。
不妊治療で保険適用した場合の目安金額
不妊治療をしたくても、費用がどのぐらいかかるのか不安になりますよね。
不妊治療の場合、保険が適用される治療と自費治療のものがあります。
その費用の目安について、まとめていきます。
金額はあくまで目安ですので、病院によって異なります。
保険適用の診察・検査費用
以下は、一般不妊治療・保険が適用される不妊治療です。
■初診費用 |
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初診の場合、病院での検査内容によって変わります。
体外受精の実績のある病院で15,000円~30,000円前後。 |
■ホルモン検査 |
血液中の成分を調べる検査で2,000円前後となります。 |
■超音波検査 |
子宮や卵巣の状態を超音波で検査します。
1ヶ月に1~2回であれば保険が適用され、それ以上になると自費となります。 |
■男性の検査費用 |
男性の精子・精液に関する検査の場合は、それぞれ内容によって費用が異なります。
精液検査は300円、ホルモン検査は8000円前後、染色体検査は9000円前後になります。 |
保険適用外の診察・検査費用
以下は、保険が適用されない診察・検査の費用の目安を紹介します。
費用はすべて自費となります。
上記で解説した治療費用も以下で再度一覧にしていますm(_ _)m
■AMH(アンチミュラー管ホルモン検査) |
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卵巣の状態を検査します。 費用は5,000円~8,000円前後になります。 |
■人工授精 |
病院によってかなり差があり、12,000円~25,000円前後になります。 |
■体外受精 |
採卵・培養・胚移植・胚凍結の費用は別で200,000円~500,000円前後。 また、顕微授精の場合は、300,000円~600,000円とやや高額になります。 |
■男性の不妊治療 |
・TESE(精巣内精子採取法)180,000円~220,000円前後 ・MD‐TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)220,000円~270,000円前後 ・精路再建手術 500,000円~600,000円前後 ・精索静脈瘤手術 190,000円~400,000円前後 ※ただし、精索静脈高位結紮術の場合は保険が適用され、費用は70,000円から100,000円前後となります。 |
不妊治療の助成金はもらえる?
不妊治療は、治療法によっては高額な費用がかかってしまいます。
そこで気になるのが、不妊治療には助成金があるのか?ということですね!
不妊治療というと、現状では男性不妊に限定したものばかりではありません。
体外受精または顕微授精に対しての助成金制度があります。
1回15万円を年間2回まで、通算で5回まで支給されます。
ただし、夫婦合算で所得が730万円以下などの所得制限や法律上の夫婦であることが条件になります。
お住まいの自治体で異なる場合がありますので、事前に確認をした上で治療方法を決めるのも良いかと思います。
男性不妊の原因も知っておこう
男性不妊になってしまう原因は色々あります。
もしかして男性不妊なのかな・・・?と少しでも気になることがあれば、まずは不妊の原因について知っておくのも1つです。
■男性不妊の原因を徹底解説!病気・年齢だけでなく食生活・肥満・薬も関係している?
男性不妊の悩みは、男性自身だけでなく夫婦やカップルで向き合っていきたいものです。
夫婦で話し合って、治療方法や今後の妊活について計画を立てていきたいですね!